2013年12月18日水曜日

遺族の方へ-年末年始の過ごし方-(Cruse Bereavement CareのHPから)

日本人にとって特別な季節、お正月が近づいてきました。

臨床心理学の世界では「お正月は多くの人が心理的な危機を迎えやすい時期」
と言われています。

CurseのHPにクリスマスへの対処の仕方が掲載されていました。
「同じ人を亡くした家族同士でも、クリスマスをどう過ごしたいか意見が異なる」と指摘し、
対処方法として「早くから予定を相談して決めること」を提案しています。

欧米では、クリスマスは日本のお正月と同じように特別で大切な期間です。
私たちがお正月を迎えるにあたっても参考になりそうです。

※今回は長文になってしまうので、和訳のみを掲載します。
原文はhttp://www.cruse.org.uk/about-grief/christmasをご覧ください。

2013/12/19 23:00誤訳を修正しました。
----------------------

死別後の最初の年でも、長年経った後でも、
クリスマスは遺族にとって痛みを伴う季節です。

一人きりでクリスマスを過ごすことも、
死別の苦しみの中でクリスマスを過ごすことも、
どちらも困難であることは明白です。

この困難の解決策の一つとして、かなり前から
「クリスマスをどう過ごすか」を考え調整することがあげられます。

クリスマスをどのように過ごすか、前もって計画を立てましょう。
あなたと、そして、同じ悲しみを分かち合う他の遺族とが、
最も適した過ごし方ができるよう予定を調整しましょう。


クリスマスに対する遺族の姿勢は様々です。
クリスマスを全く祝いたくなく、平日のように過ごしたいという遺族もいます。
一方、故人に敬意を払いながら例年と同じように祝いたいと思う遺族もいます。

遺族にとって「特別なことをして故人を忘れないようにしたい」
と思うのは当然なことです。

その欲求は、故人についてただ話すだけでも満たされます。
静かに話してもよいですし、にぎやかに話しても構いません。
お墓をお参りしたり、思い出の場所を訪れることもよいでしょう。
一人で行ってもよいですし、友人や家族と行くのもよいでしょう。
もし、故人の写真や思い出の品があれば、それをお披露目し、
分かち合うこともよいでしょう。


しかし、故人のしのび方には様々なやり方があります。
家族の間で「自分はこうしたい」という意見が食い違うこともありますし、
「他人にこうしてもらいたい」という要求が食い違うこともあります。

ですから、他人の気持ちに敏感になりながらも、
「自分はこうしたい」と正直に打ち明け話し合うことをお勧めします。



クリスマスの期間中は、日常の生活リズムが妨げられやすく、
自分自身を労わることを忘れがちです。
規則正しく寝起きし、食べるよう注意しましょう。
これらは些細なことですが、あなたの気持ちを改善します。

クリスマスにはお酒を飲む機会が多くなります。
が、アルコールが苦しみを紛らわすのは一時的であることは忘れないようにしましょう。

クリスマスの日に、家族や友達、ボランティアと過ごすことは
あなたの助けになることでしょう。


時が経つにつれ、クリスマスのような特別なお祝いの日は
故人と過ごした幸せな思い出に浸れる日になります。
しかし、同時に、激しい悲しみを呼び起こす難しい日にも成り得ます。
あなた自身と周囲の人を労わることを忘れないようにしましょう。


クルーズはクリスマス休暇中も遺族のためのサポートサービスを続けます。
全てのお電話に、訓練されたボランティアが対応します。

(Cruseからの引用ここまで)
----------------------


遺族の間で「どう死別の苦しみに向き合うか」が異なることは
珍しくありません。

子供を喪った夫婦が離婚しやすいのは、
「お互いの悲しみ現れ方の違いに違和感を感じることが一因」
と言われています。

元々日本では、お正月は帰省プレッシャーの季節です。

私自身は、帰省をするとどうしても息子の不在を強く感じてしまい
辛い時期がありました。
「旅行」を口実にお正月から逃げ出していた時期もかなり長くありました。
(余談ですが、お正月の京都には国内外からの旅行者であふれており、
遺族にとってよい避難先だと思います。)

「世間の常識」にとらわれないで、
「自分たちがどうしたいか」を正直に話し合ってみてください。


みなさんにとって一番良い方法でお正月が過ごせるよう、
お祈り致します。

0 件のコメント:

コメントを投稿