故人の命日や誕生日が近づくと、不思議と体調が悪くなる。
そんな遺族の方は多いのではないでしょうか?
これは臨床心理学の世界ではよく知られた現象で
「記念日反応」という名前がついています。
病気による死別の方の場合は、病名が判明した日や入院した日、
骨髄移植の日や手術の日が近づくとダメだという方も多いようです。
実は今現在、私はこの反応の真っ盛り。
元々あまり記念日を意識しない性分なのに、
この季節になると決まって体調が悪くなってしまいます。
「なんだか最近体調がすぐれない。頭がぼーっとするな」と思っていると、
息子の命日が近いことに気が付く。
そして「ああ、そうか」と無力感に襲われる。
そんなことをこの数年繰り返しています。
普段は頑張って活動をしている私ですが、この季節はだめです。
疲れやすく、頭に霧のかかったようなぼんやりとした状態になります。
心身共に調子を崩しやすいですし、判断力にも自信がないので大きな決断はできません。
お勤めをしている時は、この季節に職場で同僚や取引先の方とのお子さんの話題に
参加するのが辛かったです。
この現象は死別直後にはありませんでした。
当時は、常に息子のことを思い、出来事を反芻し、
様々なことを悔やみ、嘆くというせわしない心理状態でした。
仕事をしていても遊んでいても、ちょっとしたことで息子のことを思い出し
あの時ああしていれば、と後悔の渦に巻き込まれていました。
ですので、当時の状態に比べると、近年の記念日反応は、辛いとはいえ穏やか。
「記念日反応」は過敏な反応を防ぐ防御反応のひとつなのかもしれないと思っています。
記念日反応と上手く付き合えるようになったら
遺族スキルも上級かもしれません。
私はもう少し修業が必要なよう。
「無理しない」「焦らない」と自分に言い聞かせ、今年もじっとこの季節をやり過ごします。
大変だと思いますが、頑張りすぎないでくださいね。
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