2015年1月12日月曜日

セルフモニタリング

今回の年末年始は頻繁に病院に通う必要がありました。

私にとって、死別後もトラウマとして残っているのが、病院での入院生活。
1年間の入院付添い生活には辛いことが沢山あり、
私にとって病院は、今でも「思い出したくない」「できるだけ避けたい」と思う存在です。

TVの映像ですら、病院の風景は見たくありません。
点滴やナースさんを見るだけで心臓がぎゅっと縮こまり、
息が出来なくなるような感覚に襲われます。


しかし、今回はそうも言っていられません。

過去のことを考えないように気持ちに蓋をして、
自分自身も楽しくなるようなお土産を持って、
できるだけ夫と一緒に行くようにするなど工夫はしていました。

想定外だったのが、緊急外来。
私が一人で病院に行かなければいけなかった時、その時間帯は緊急外来の出入口しか開いていませんでした。
「緊急外来」という文字を見ただけで、退院後に外来に通った日々を思い出し
落ち着かない気持ちになります。

でも仕方ありません。

意を決して、できるだけ足早に通り過ぎます。
泣き叫んでいるお子さんはまだ大丈夫。
それだけの元気があるということは、多分重病を抱えているのではないのです。
じっと点滴を受けている車椅子のお子さんが視界に入ったので、
私はできるだけ見ないようにして通り過ぎましたが、不安そうな若いお母さんの顔を見てしまいました。

それでも人気のない廊下に差し掛かかり「やり過ごせた」と気を緩めた時、
子供用ベッドが視界に入りました。

大人用のベッドと異なり、ベビーベッドのように高いゲージがついているそれは、
私の息子が使っていたのと同じ。
私が1年間体を縮めて添い寝をしたベッドと同じ形と色をしています。

気が付くと私は立ち止まり、ベッドを見つめていました。
そして、ゲートの上げ下げにコツがあり、レバーを握って少し持ち上げてからゲートを上げ下げする必要があります。

気が付くと私は足を止め、ベッドを見ながらその動作をシミュレーションしていました。

そんな私の至近距離をマスクをした人が忙しそうに通り過ぎ、
私は我に返りました。

まずは、思わず立ち止まるほどのダメージを受けた自分の弱さにがっかり。

けれどすぐに気持ちを切り替えます。

こういう時は、何も考えずに、まずは自分のダメージを確認。
「今のはかなりのダメージだったな」と自分の状況を確認し、
「帰りはあの道を通らないようにしよう」と対策を立て、
目的の場所へと急ぎました。



死別にまつわるトラウマは人それぞれですし、自分に合った対処方法も様々だと思いますが、
私は、まずは自分自身の状況を確認するよう心がけています。
死別後すぐにはできなかったことですが、数年後からできるようになりました。

心理学用語で自分自身の状況を認識することを「セルフモニタリング」というのですが、
これを行うことで、感情の渦から一旦逃れることができます。

また、その後で「ダメージを受けてしまった自分」ではなく、
「対処できた自分」を認識し、「前よりは前進した」と自分で自分をたたえることが大切だと聞き、
できるだけ前向きに考えるようにしています。

いろいろと試した結果、自分にはこの方法が一番向いていると感じ、
いざという時に「セルフモニタリング」を行うよう心がけています。

それでも思い通りにならないのが、心と気持ちの難しいところ。
次の日は休ませてもらい、自宅でゆっくりと過ごしましたが、
疲労感は翌々日まで続きました。

どなたかのご参考になればと思い、記録しておきます。
とりとめのない記事で申し訳ありません。

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