2014年10月6日月曜日

通りすがりのアドバイザー

アトランタで見つけた素敵なキャンドル。

参考:過去の記事
ANNA GRIFFINのカード(3)キャンドルメーカー
ANNA GRIFFINのカード(4)エレベータースピーチ
ANNA GRIFFINのカード(5)エレベータースピーチ2
ANNA GRIFFINのカード(6)作戦会議
ANNA GRIFFINのカード(7)英語プレゼン準備
ANNA GRIFFINのカード(8)商談

強引な自己PRでオーナーとの会談にこぎつけた私でしたが、
「イギリスの代理店を通して買ってくれ」
と、直接取引を断られてしまいました。

帰国後、イギリスの代理店にメールをしてみましたが、
返事がありません。

ジェトロに相談に行くと「どんな魅力的な商品でも、相手があなたと取引したいと思ってくれないと取引は成立しない。
そんな失礼な態度をとる会社と取引をしても何も良いよいことはない」
とアドバイスされてしました。

その後、東京ギフトショーに参加して、国内のメーカーとも商談しましたが
「実店舗のないネットショップのみの会社とはお取引できません」
と断られること多数でした。

「買いたい」と言い、お金さえ支払えば売ってもらえるものだとばかり思っていた私。
どうらやこの業界では、そうではないようです。
どうしたものか。

そんな風に悩んでいた時、友人がお気に入りの飲み屋さんに連れて行ってくれました。
美味しいお魚を堪能していると、たまたま隣の席に居合わせた常連さんに
話しかけられ、友人に「私の友達です。彼女、起業準備中なんですよ」と紹介されました。

なんでもその常連さんは起業して7年。
様々な事業を試した挙句今はエステの会社を運営しているのだそうです。

聞かれるままにアトランタでの顛末をお話しすると、
「僕だったら最低注文金額を聞いて、半年時間をくれと言う。
そしてその半年間で買い手を見つけて輸入する」
と言われました。

なるほど。契約を成立させるには、そういう方法がベストなのでしょう。
商売に向いている人の発想はこうなんだ、と目から鱗でした。

けれど私はそんなリスクまでとって、大口の取引を成立させたいのではありません。
遺族の方がもらって心が慰められるような「グリーフケアギフト」の習慣を
日本に根付かせることが私の目標です。


そしてその1か月後、私は成田のタリーズで見知らぬ外国人と同席になりました。

お互い「このテーブルは空いていたと思っていたのに、先客がいた」みたいな状況。
譲り合った挙句、シェアすることになりました。
「なんだか気まずいなー」と思って「どこから来ましたか?」と話しかけたところ、
彼はシンガポールに住むアメリカ人とのことでした。

「奥さんはシンガポールの人なの?」と聞いたら
「いいやアトランタの出身だ」とのこと。
「あら、私先月アトランタへ行ったばかりなのよ」と答えたところ、
大変驚かれ「アトランタへ?!何をしに?」と言われてしまいました。


 ”余談ですが。
  アトランタってそんなにマイナーな都市なのでしょうか。
  デトロイトでの入国審査で「アトランタへ行く」と答えたところ
  「アトランタ?何をしに?!」と審査官にいぶかしげに聞かれたのでした。”


コーヒーを飲みながら今までのいきさつを話したところ、彼は次のように話してくれました。

「流通業界は、君のいたIT業界とは異なる性質を持っている。
力のあるメーカーほど、取引先に格を求める。
IT業界では、スキルさえあればどんな大企業とでも取引できるのだろう?
ところが流通業界ではそうではない。
よい品を扱いたければ、よい企業になることだね。
よい企業と言うのは、沢山売れる企業ではない。
客層がよい企業という意味だ。
魅力的な企業になれば、今度は逆に取引先から売り込みがくるようになるよ」

そんな彼は、某有名デューティーフリーの店長で、
本社での店長会議に呼ばれ、その帰り道なのだそうです。

彼がコーヒーを飲み終わる前にアナウンスが入り、
「僕の搭乗の時間だ。話せてよかった。君のビジネスの成功を祈るよ」と言うと、
タリーズのコーヒーを片手に去って行きました。


なるほど。私のいたIT業界でエンジニアに求められていたのはスキル。
けれど流通業界でバイヤーに求められるのは別のもの。
それが何かは分からないけれど、今の私にはチャンスを捕まえることはできても
契約に結び付けれなかったのは、その何かが足りないからなのでしょう。


こうして私は、偶然テーブルで隣り合わせた2人の商売人から、商売のヒントを得たのです。

☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜

何故私が成田空港にいたのかというと、韓国に例のキャンドルメーカーの代理店を視察に行く途中だったから。

次回はそのお話をお届けします。

0 件のコメント:

コメントを投稿