2014年9月18日木曜日

ANNA GRIFFINのカード(6)作戦会議

お取引に至らなかった、とあるキャンドルメーカーとの交渉のお話その4です。

【今までのお話】
ANNA GRIFFINのカード(1)出会い
ANNA GRIFFINのカード(2)カタログをください
ANNA GRIFFINのカード(3)キャンドルメーカー
ANNA GRIFFINのカード(4)エレベータースピーチ
ANNA GRIFFINのカード(5)エレベータースピーチ2

☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜

Bobのブースを後にした私は、カード会社のブースに立ち寄り
会場近くのコンビニエンスストアでバナナと野菜ジュースを買ってホテルに戻りました。

まずはシャワーを浴びて心を落ち着けた後、明日の午後2時までの作戦を練りました。

時刻は夜の9時。
明日は、朝10時に外国人バイヤー向けのサロンに集合し、ミプロの買い付けツアーのミーティングがあります。
タイムリミットまであと11時間。
今夜は多少睡眠不足になっても、明日の商談に向けて全力でシナリオを練るべきでしょう。

私はまず、いただいたカタログを読み込んで商談相手の会社について知ることにしました。
カード会社の男性スタッフとその恋人(?)の男性から
「このオーナーはゲイに違いない」という通常では得難い情報を得た私ですが、
英語の読解力はイマイチ。
「パソコンを持ってきていれば、翻訳ソフトが使えたのに」と後悔しながら、
iPhoneの辞書を片手に分厚いカタログを読んでいきます。

分厚いカタログに目を通し終えた時、時刻は夜の11時半になっていました。
学生時代、リーダーの授業をさぼっていた自分を呪います。

カタログを読んだ結果、
・どうやらこの会社は現オーナーが一人で作り上げたも同然らしい。
・販売店やパートナー企業への気配りを欠かさない。
・重厚な表現を好み、伝統ある企業のように振る舞うことを好む。
という傾向が分かりました。

空腹を覚えた私は、日本から持ってきた非常食とバナナと野菜ジュースで夕食を取りながら考えました。

このような傾向を持つ企業が、私のような起業前の個人と取引をしてくださるとは思えません。

今の私が仕入れに出せる金額は、最大で100万円。
しかし、いきなり1企業との取引に全額をつぎ込むのは危険です。

それに、そもそも仕入れたとしても、そのキャンドルをどこに保管するのか?!

いただいたサンプルを元に、10万円分購入した場合の容量を計算してみましたが、現在の自宅ではとても保管できません。
実家に泣き付けばなんとかなるかもしれませんが、保管状態が心配になります。
そして何より、私はそれだけの量のキャンドルを売りさばく自信がありません。

コーヒーメーカーでお湯を沸かし、ハーブティーで心を落ち着けます。

この会社の「ストーリーを持ったキャンドル」は私のグリーフケア事業にぴったりで魅力的ですが、
自分のこのような準備状態で、明日具体的な金額の話をするのは得策ではないでしょう。
断られておしまいです。

ううーむ。

私はデスクを離れてベッドに横になりました。
天井を見ながら考えます。

せっかくオーナーとの直接対談という貴重な機会を得たのです。
取引を成立させるのは無理だとしても、何か印象は残したい。

バイヤーとしては未熟なのですから、自分の得意分野で潜在能力をアピールするしかありません。

私の脳裏に浮かんだのは、かつて所属していた会社の営業さん達の姿でした。

そうだ、プレゼンをしよう。

日本人バイヤーから見た取引条件の問題点を指摘し、相手に対して有益情報を与えよう。
明日は、取引相手として切り捨てられないことを目標にしよう。

そう決めました。

ベッドから起き上がった私は、主張したいことを箇条書きにしてリストアップしました。
ノートも持ってこなかったので、ホテルの部屋に置いてあった便箋といらなくなったリーフレットの裏を使って考えをまとめました。

与えられた時間は20分。
ところどころ通訳を頼まざるを得ない状況を考えると
言いたいことは2つ程度にに絞るべきでしょう。

考え抜いた結果、この2つをキーメッセージにすることにしました。
・アメリカからイギリスを経由して日本に輸入するのは効率が悪い。
・英国代理店の代表に私を推薦してくれ。


ここまで決めたら、時刻はもう午前2時。
睡魔が襲ってきたので、私は3時間だけ仮眠を取ることにしました。

☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜

ANNA GRIFFINのカード(7)英語プレゼン準備へ続きます。

0 件のコメント:

コメントを投稿