2014年1月17日金曜日

シンパシー・カード(米国)

「アメリカでは遺族にシンパシーカードを贈る習慣がある」
そう聞いて、アトランタにて調査を行いました。

まず、CVSというドラッグストア兼コンビニのようなチェーン店をチェック。
するとカードコーナーに1列だけですが「Sympathy Card」の列がありました。
封筒とカードのセットでメッセージが既に書かれており、
サインをするだけで送れそうな感じです。
コンビニにも置いてあるということは、本当に生活に浸透しているのだなと思いました。

次に、見本市の開かれているアメリカズマート内の各種店舗をチェック。
カードを専門で扱っている店舗には、必ずシンパシーカードがありました。

お話を伺ってみると、
・カード全体の売上の約6%をシンパシーカードが占める
・親族や友人だけでなく、仕事上の付き合いだけの人にも、シンパシーカードを贈る習慣がある
・宗教的な内容のメッセージのカードと、そうでないカードとがある
・最近ではペットのお悔やみ用のカードも売れている
・価格は、簡素なものは1ドル程度から5ドルまでと様々
とのことでした。

カード専門店さんのブースでは、立ったままテーブルで商談。
チョコレートが無造作に置いてあるのがアメリカっぽい雰囲気です。

昨年の私はキャンドルメーカーに相手にしてもらうのが難しかったのですが、
今年は名刺に「http://griefcaregift.com/」とあるせいか、
どの会社から親切に接していただけました。
米国での「グリーフケア」という概念の浸透度合いを実感しました。

日本の「お悔やみのご挨拶状」と大きく違うのは、色。
優しい色合いが中心ですが、様々な色のカードがあります。
遺族としては、薄墨一色のお悔やみの挨拶状よりも、
このようなカードを受け取った方が、より慰められるのではないかと感じました。

カードの文面は研究中ですが、
・Wishing you peace in this time of loss.
この喪失の中で、あなたの平和を祈ります。
・Your loss is profound and we share your grief and sadness. With Sympathy.
あなたの喪失はとても大きく、私たちはあなたの悲嘆と悲しみを共有しています。お悔やみと共に。
といった感じです。

「困難な時」であることを認め、
「私はあなたを思っている」とうことを伝えるメッセージが印象に残りました。

また、ネット上で見かけた「シンパシー・ギフト」という言葉を手掛かりに聞いて回ったところ、
「通常はシンパシー・カードを贈るだけだけれど、
特別に何かをしたい場合や、遺族本人が買うことを想定したギフトがある」
とのことで、具体的にはこのような商品が見られました。
・天使や十字架をモチーフにした置物、ジュエリー
・故人の名前を刻んだ石のプレート(庭に置く)
・メッセージが刻まれた写真立て

さらに、最近では「シンパシー・バスケット」と言って、
簡単に食べられる食品を詰めたバスケットを贈ることもあるそうです。
ドライフルーツやナッツ、クッキーやコーヒーなどが
食事がおざなりになりがちな遺族にとって、
ありがたい贈り物かもしれません。


碧香堂では、昨年末からお悔やみ状の無料サービスを行っています。
現時点では喪中お見舞いを意識したフォーマルな文面が中心となっていますが、
シンパシーカードを参考に、よりカジュアルに心のこもったメッセージも展開する予定です。

また、カードの種類も増やしていきたいと思います。
(いくつか素敵なカード会社を見つけ、商談中です。まとまったらご報告いたします。)


2014/4/18追記
このアトランタでの交渉が成立し、アンナ・グリフィンのグリーティングカードの取り扱いを始めることができました。
アンナ・グリフィンのカード売り場@碧香堂はこちら

2014/9/26追記
その後、イギリスとフランスのシンパシー・カード(コンドレンス・カード)についても調査しました。
グリーフケアのカテゴリー を開いていただくと関連記事を全て読むことができます。

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